8年目を迎えた食愛♡Kitchenへの思い

8年目を迎える 「食愛♡Kitchen~くうらぶ♡きっちん~」への思い

 いのちを支える「食」と「性と生」。どちらも学ぶことで自分の生活を豊かにすることができます。その在り方は、その人の生き方の表現でもあり、哲学でもあると考えます。「食愛♡Kitchen~くうらぶ♡きっちん」の活動の基にいつもこのことをおいています。

  講師依頼を受けて実施した講座や料理教室は、ありがたいことに活動開始からの7年間で500回近くになりました。

     小学生 91講座、 中学生 189講座、 高校生・大学生 6講座、 教員研修 33講座、 

     大人向け・保護者向け 79講座、 障がい者・児向け 50講座、 児童養護施設 7講座、食育・料理 32講座

性教育の講座は、「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づいた人権を確固たる基盤とした「包括的性教育」として実施しました。継続しての講座も多く、実践の積み重ねができています。

 また、小・中学校の義務教育の中での「包括的性教育」のカリキュラム開発、毎日の生活の中でできる性の学び、地域の中でつながりあって取組む「包括的性教育」についても、性教協えひめサークルのメンバーや、連続して講座を実践してくださっている各所の方々とも協力しながら充実を図り、実践も蓄積されてきました。

 今年度は7年間の活動を力に、地域ぐるみで大人も子どもも共に学び、授業や講座での学びを日々の生活の中で生かしていくことができる「包括的性教育」がいろいろなところで広がるように、みなさんと力を合わせて活動します。

                                        主宰 菊池 準子

(2024年度の活動計画)

地域ぐるみで取り組む「包括的性教育」をめざし、仕組みつくり、仲間つくり、カリキュラム開発をする

◎ 要請を受け、包括的セクシュアリティ教育の出前講座を行います。(出向く回数には限りがありますのでご了承を)

  【包括的性教育の出前講座】 実際に子どもたちとの学びとして

   ○ 子どもたちへの出前授業(幼児から、小・中・高・大学生まで)

   ○ 放課後ディ、児童養護施設など学校外での子どもの学び

   ○ 幼稚園・保育所・学校・職場の職員研修

   ○ 学校保健委員会、PTA学習会 など

         ご要望に応じた講座が可能です。

  【性教育の学び作りへの協力】 教員研修や職場研修として

   ○ 授業つくり・思春期教室などの講座つくり

   ○ 教材開発 

   ○ カリキュラム開発    など

      

◎ 性協教えひめサークルや諸団体と連携し、学校・学校外での性教育実践を広げる。             

        (特に中学校での外部講師と学校が連携して取り組む思春期教室が県内に広がるように取り組む)

◎ これらの活動の積み重ねから、包括的性教育実践の助けとなる資料を作成する。

        (性教協との活動の連携の中で) 


『食愛♡Kitchen~くうらぶ♡きっちん~』の活動内容へのご質問、講座の依頼など
お気軽にお問い合わせください  メールアドレス junko-kikuchi@ma.pikara.ne.jp


思春期教室について

 性の学びは、幼児期からの積み重ねが大切だと考えていますが、子どもたちや社会の現状から、待ったなしで、社会の中で一人の人間として自立して幸せに生きていくための「性の学び」が義務教育を終えるまでに欠かせないと感じました。

 そのために、心身の成長とともに性への関心や興味も高まり、大人の体へと成長していく思春期の子どもたちに、自分自身の人生を幸せに生きていく力をもつことができる性の学びを保障できる「思春期教室」の充実を図りたいと考えています。教科として保健体育で小学校4年と中学校1年と3年で性に関する指導内容があります。この学びを核として、全教育活動の中で取り組むのが包括的セクシュアリティ教育です。思春期教室はその学年で、年間たった2時間ですが、その学びをどれだけ広げ、毎日の教育活動や児童・生徒とのかかわりの中で生かしていくかということができるかが大切なのです。


 中学校での性教育は、保健体育の学習として保健体育の教員に一任したり、保健指導として養護教諭に一任したり、長期休暇の前などに生徒指導・生活指導の一環として性の問題行動の予防をねらいとして外部講師の講話を聞いたりして、性教育を実施したことにしていることが多かったと聞いています。多忙な学校現場の現状を考えると、「性教育」の時数確保は難しいと思われますが、子どもたちと、子どもたちを取り巻く性に関する現況を考えると、性の学びは不可欠なものだと考えます。

 性被害の防止、性感染症や予期しない妊娠を避けるための教育、処置教育といった狭義の性教育ではなく、自分の生き方として性について考える機会となる包括的な性教育こそが、これから大人に成長していく思春期の子どもたちに必要な性の学びです。また、学校で子どもの一番身近にいる学級担任とクラスの仲間とともに性について学び考える時間も必要です。

 そこで、性に関する専門的な部分や、学級担任が直接子どもたちに語りにくい部分は外部講師の講話の中で受け持ち、幅広く性に関する課題について話し合う活動は学級活動として学級担任が受け持つという形の思春期教室ができないかと、松山市立西中学校と宇和島市立城南中学校で、養護教諭や学級担任の先生方とも協力しながらこの思春期教室のもち方を探ってきました。まだまだ改善の余地はありますが、子どもたちにも大人にも性を学ぶ機会として有効であるという手ごたえを感じています。宇和島市では、市内の全市立中学校でこの取り組みを「宇和島こころまじわうプロジェクト」として2020年度から始め、小学校にも広がっています。同様な実践が他の地域でも広がりを見せています。

これからも各校の先生方と協力して実践を続けながら、思春期教室の取組が、地域ぐるみのものになるように育てていきたいと思っています。

思春期教室の大まかな流れ

各校での思春期教室の実施計画の立案

  まずは、校内で思春期教室の実施の必要性を確認しましょう

  大まかな実施時期や学年、実施方法

講師依頼

  事前の打ち合わせやアンケートなどありますので、できれば早めにお願いします

  産婦人科医、保健師、助産師など、他の外部講師との連携も可能です

具体的な実施についての打合せ

  日程の確定

  場所や外部講師の講話の内容(人数や、進め方など)

事前アンケートの実施

子どもたちの実態を知り、当日の講話に生かすために事前アンケートを実施します

  学級担任が集計することで、子どもの実態を共有できます

当日の指導の準備

  外部講師の講話…アンケートや日常感じる実態から、内容を検討します

  学級活動…学級担任が子どもの実態などから、テーマや内容を考えます(ひな形はあります)

事後指導

  子どもたちの感想のコピーを、すべて送っていただき、講話の振り返りに生かします

実施後の振り返り

  子どもと教員の事後アンケートを実施し、次回に生かします